遺すことの大切さ

本社部門:Sさん(40代)男性

ひまわり生命の社員の皆さまが投稿された多くの「わたしの想いレポート」を読み、私は「遺すことの大切さ」を学びました。

  • 現実の受け入れ

長男が誕生したとき、親バカを割り引いても周囲からかわいいと言われた。子役のスカウトもあった。
1歳後半くらいから徐々に言葉の遅れを指摘されはじめ、保育園のお友達との差が顕在化してきた。意を決して専門医を受診した結果、重度の自閉症で「将来にわたり健常者と同じように会話ができることはない」という残酷な診断だった。軽度も含めると100人に1人だとか確率の話をされたがほとんど頭に入らず、「なぜうちの子が・・・」それしかなかった。「薬や治療法はないのですか」と食い下がったが、先生は「それも含めて○○くんの個性だから」とだけ。その時の私には空虚な言葉にしか感じなかった。
それでもその後次男も誕生し、家族兄弟仲の良い幸せな生活を送ることができていた。

  • 始まる苦難

長男の身体が成長期を迎えると新たな苦難が始まった。時折暴れだすと妻では体力的に手に負えなくなる。排泄の介助が必要だが、外出時に多目的トイレが見つからず困ることも茶飯事だ。ただ本当の苦難は別にあった。
「お兄ちゃんはもう応援に来ないで」次男が明らかに長男を避けるようになった。友だちから稀有な目で見られるのが恥ずかしいというのだ。頭ごなしに怒るのはダメとは分かっていながら、一方でどう諭すのが正解か私には分からなかった。喧嘩も暴力的になることも時折。もはやそれも受け入れるしかない、いずれ時間が解決してくれると思っているが、ただの現実逃避なのかもしれない。長男と10歳離れた長女も誕生し今は小学1年生となったが、先日会社から帰宅すると「普通のにいにがよかった」と泣いていた。
家族を分裂させたくない、今の私にとって一番しんどい。次の誕生日で長男は18歳になる。成人年齢引下げは、私にとって悩みを増やすだけ、理不尽ささえ感じる。

  • 遺すことの大切さ

もし私に万が一のことがあったら、もし私が大病を患ったら。大した不幸がなかったとしても私は子どもたちより先に逝く。何を遺して、何を遺さないか。経済的な不幸は絶対に遺してはいけない。長男は一生扶養しないといけない。次男は来年度スポーツ推薦で私立高校に通う。長女はまだまだ可能性で一杯だ。
「家族や社会と助け合う心」これを遺すことが私の生涯の仕事だ。我が家は助け合っていかないと生き延びていけない。助け合うことで新しい発見や学びがある。
真剣に考えるきっかけを与えてくれた。ひまわり生命の社員で良かったと心から思う。