1本の電話から

本社部門:Nさん(30代)女性

「お電話ありがとうございます。~~」支社の固定電話がなり、いつも通り受電すると「すみません、保険に入りたいんですが・・・」という女性の声がした。てっきり代理店や契約者からのお電話だと思っていたので少し驚くとともに、急に自分から保険に入りたいってめずらしいな?と思いながら、お客さまからお話を伺った。
すると、看護師であること、シングルマザーであること、お子さまがまだ小学校低学年であること、そして自分ががんになってしまったことをお話ししてくれた。「保険に入っていなくて、子供にわずかでもいいから何か残せないかと思っています。」とのことだった。藁にもすがる想いで電話をしてくださったことが伝わり、自分に何ができるかを考えた。

お客さまのご自宅近辺に、担当している信頼できる生保専業代理店の募集人がおり、当社だけでなく他社商品の情報なども調べてお客さまにお伝えできることがないかを徹底的に検討した。ただ、ご提案できる保険は当社の無選択型終身保険のみという結論になり、募集人と一緒にお客さまへお伝えすると、「少しでも子供に残せる保険があっただけでも本当にありがたい」とのことで、お手続きをすることになった。受取人のお子さまも小さいので、お客さまのお母さまも一緒にお手続きをしてご加入いただいた。

そこから担当も変わり4年ほど経った時に、この募集人から連絡があった。珍しいな、と思って電話に出たところ、「以前、つないでもらったお客さまがお亡くなりになりました。」とのことだった。契約時にいらっしゃったお母さま含めてお手続きをして、保険金の支払いも完了したとのこと。ご家族からも感謝の言葉をもらったとのこと。

心のどこかで元気になってほしいと思っていたのでお亡くなりになったことは辛かったが、保険会社としてお客さまの想いである保険金を無事にご家族にお届けすることができて良かったと考える。

このご提案が最善だったのか、もっとできることはなかったのか、病気になってしまったお客さまに保険会社は何ができるのか、は常に自問自答するものの、一人のお客さまの新契約から保険金お届けまで携わったことは自分にとって非常に貴重な経験であった。

日々の業務に忙殺されていると、目の前のタスクを実施することが仕事の目的と履き違えてしまったりするが、自分が仕事をする意味・目的、ひまわり生命が目指す姿、保険会社が事業継続し続ける社会的使命などを立ち止まって考えさせてくれる原点がこの出来事である。今は病気になる前から健康をサポートできるっていいことだ。