終身型と定期型のがん保険、どう違う?
がん保険は大きく「終身型」と「定期型」に分けられます。この二つは保障期間の長さや保険料の仕組みに明確な違いがあります。
終身型は、一度加入すれば一生涯にわたって保障が続くタイプです。契約時の年齢で保険料が決まり、その金額を払い続ける限り保障は途切れません。老後の医療リスクにも対応できるため、「生涯を通じて安心を確保したい」と考える人に向いています。ただし保障が一生涯続く分、定期型と比較すると保険料の負担が大きくなります。
一方、定期型は「10年」「20年」といった契約期間が決まっており、満期を迎えると更新する仕組みです。若い時期には保険料が安く、必要な期間だけ効率的に保障を準備できるのが特徴です。ただし更新時には年齢に応じて保険料が上がるため、長期的に続けると負担が重くなる点に注意が必要です。
終身型と定期型、備えられる期間の違い
終身型は契約時点から解約しない限り、生涯にわたって保障が続きます。高齢期にがんが見つかった場合でも給付を受けられる点は大きな安心材料です。
定期型はあらかじめ定められた期間だけの保障となります。例えば「子どもの独立まで」や「住宅ローン完済まで」といった、ライフイベントに合わせた期間限定の備えに適しています。更新を重ねれば保障を延長できますが、そのたびに保険料は上昇します。
保険料の決まり方と支払いの総額
終身型は契約時の年齢と健康状態で保険料が固定され、その後は一生変わりません。若いうちに加入すれば長期的に総額を抑えられる可能性がありますが、加入時期が遅れると毎月の保険料が高くなる点には注意が必要です。
定期型は契約時点の年齢を基準に保険料が算出され、更新時にはその時点の年齢に応じた保険料になるため、加齢とともに保険料が増えていきます。若い時期は割安ですが、年齢が高くなるにつれて負担が大きくなるのが一般的です。
解約返戻金がある場合の特徴
現在のがん保険はほとんどが「掛け捨て型」と呼ばれ、解約返戻金がないか、あってもごくわずかです。一部の保険商品で、終身型の中には「貯蓄型」と呼ばれる解約返戻金付の商品があります。
これは、契約途中で解約した場合に払い込んだ保険料の一部が戻る仕組みです。もっとも、保険の本質はあくまで「保障」であり、貯蓄を目的とするものではありません。がんの罹患率は年齢とともに上昇することから、がん保険は健康なうちに加入し、その後できるだけ長期間加入し続けると安心です。
そのため、「解約する可能性があるのか」「万が一やむを得ず途中で解約する事態に備えておくか」を考えて選ぶことが大切です。解約返戻金がない掛け捨てタイプと比べて保険料が高く設定されている分、純粋に保障だけを求めるなら割高に感じられるでしょう。逆に、将来途中で解約するかもしれない人にとっては、一定の安心材料となり得ます。
なお、最近のがん保険の中には、満期や所定の期間までにがんに罹患しなかった場合など、保険料総額を全額(または一部)が健康還付給付金として戻ってくるリターン型の商品もあります。
これも貯蓄型の一つですが、解約返戻金があるタイプと同じく保険料は割高です。保障重視であれば、掛け捨て型の方が効率的に備えられるでしょう。