がんの自由診療とは?がん保険はどう備える?
 
 
自由診療とは、公的医療保険が適用されない診療のことを指します。厚生労働省によれば、保険診療と自由診療を同時に行う「混合診療」は原則認められておらず、自由診療を選択した場合は、その治療にかかる費用をすべて自己負担しなければなりません。
こうした費用は一般的な保険診療よりも高額になりがちで、選択する治療方法によっては家計に大きな影響を与えます。そのため、万が一がんになった場合、自由診療も含めて治療方法を選択したいという人は、がん保険による備えが重要です。最近では「先進医療特約」「自由診療対応特約」など、公的医療保険でカバーされない治療費をサポートできる保険商品も増えてきました。
医療技術は進歩し続けており、万が一がんになった場合、自由診療は選択肢の一つとなる可能性があります。だからこそ、保障範囲を確認し、自分や家族の経済状況・治療方針に合わせて保険を検討することが大切です。
自由診療になる治療とはどんなもの?
具体的に自由診療に該当するのは、国内未承認の新薬投与や適応外薬、免疫療法、先進医療の一部、がんゲノム医療などです。中でもがんゲノム医療は、一人一人のがん異常遺伝子に基づいて治療などを行うオーダーメイドの医療です。日本では、2019年6月にがん遺伝子パネル検査が公的医療保険の対象になりました。しかし、保険適用の対象となるのは「標準治療が終了、または標準治療が存在しない固形がん患者」に限定されています。また、検査後の治療に関しても、保険適用外の扱いになる可能性もあり、その場合は数百万円単位の費用が必要になることもあります。
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また、海外で承認されている治療を国内で希望する場合や、一般的に推奨される治療では十分な効果が得られないときに選ばれる治療も自由診療に含まれます。
こうした治療は選択肢を広げる一方で、経済的な負担が大きい点が特徴です。
そのため、どの治療を希望するかを事前に家族や医師と話し合い、希望する治療を選択できるよう、費用に備える手段を考えておくことが欠かせません。
自由診療に備えるなら、保険の役割も知っておこう
従来のがん保険は、公的医療保険でカバーされる治療を補う仕組みが一般的でした。しかし最近では、自由診療にも対応できる保障が登場しています。診断確定時に給付金を受け取れる診断給付金や、自由診療を受けた際に利用額に応じて給付される保障など、多様な商品が揃いつつあります。
ただし、自由診療といっても、治療を受ける対象となる医療機関が指定されているなど、科学的根拠(エビデンス)に基づいた治療が前提です。
保険診療に限らず、将来の治療の選択肢の幅を広げたい場合、がん保険の検討時には「自由診療にどこまで対応しているか」を確認しましょう。医療の進歩に伴い保険商品も進化しているため、保険に加入したから安心と思わず、定期的な見直しができると安心です。