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ライフカウンセラー監修|収入保障保険とは?おすすめの人と選び方のポイントを徹底解説

生命保険を検討する際、家庭ごとに最適な保障額や受取方法は大きく異なります。 死亡保険金を一時金で受け取るだけでは、早期に使いすぎてしまうリスクや、逆に不足してしまうリスクがあります。そこで注目されているのが「収入保障保険」です。
収入保障保険は万一のときに、残された家族が毎月一定額の給付を受け取れる仕組みで、給付額を生活費や教育費に合わせやすく、家計管理もしやすい点が特徴です。さらに一時金型と比べて保険料を抑えやすいという利点もあります。
本記事では、収入保障保険の仕組みと特徴、定期保険や就業不能保険との違い、特におすすめできる世帯やライフステージ、選び方のポイント、注意点について整理します。あわせて、公的な遺族年金や団体信用生命保険との関係、保険料と保障のバランスをとる方法にも触れ、合理的な備え方を考えていきます。

【要約】
★収入保障保険とは、万が一の際に遺族年金(高度障害年金)をお給料のように毎月受取れる死亡保険
★合理的な保険のため、保険料は割安だが解約返戻金や満期保険金といった貯蓄機能はない。
★子育て世帯や住宅ローン利用者におすすめの保険
★各商品の特徴を理解し、今後のライフイベントを見据えて、早めに検討をしていくことが安心で納得感のある選択につながります。

収入保障保険の仕組みと特徴

ここでは、収入保障保険が万一の際に毎月給付金を受け取れる仕組みと、時間の経過とともに総受取額が減っていく合理的な特徴について解説します。

収入保障保険の基本的な考え方

収入保障保険は、契約期間中に被保険者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、あらかじめ設定した年金月額を毎月受け取れる保険です。 契約直後は給付金受取満了までの残り期間が長いため、総受取額は最大となりますが、時間の経過とともに満了までの期間が短くなるため総受取額は逓減していきます。

収入保障保険は、保険期間の経過とともに受け取れる保障総額が減少していく「逓減型」の仕組みが特徴です。これにより、必要な保障額が減少するライフステージの変化に合わせ、保険料を抑えながら合理的に備えることができます。

厚生労働省や金融庁の公的データを見ても、多くの家庭では必要保障額が時間とともに減少することが示されています。子どもの教育費がかかる時期や住宅ローンの残高が多い時期を過ぎれば、必要資金は少なくなるため、逓減型である収入保障保険は合理的です。
子どもの教育費がかかる時期や住宅ローンの残高が多い時期を過ぎれば、必要資金は少なくなるため、逓減型である収入保障保険は合理的です。
設計にあたっては、公的遺族年金、会社の福利厚生、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険(団信)などでカバーされる部分を差し引き、不足分を月額給付金として設定するのが基本です。一部商品では、一時金での受取や年金の前払制度を利用できる場合もあります。

定期保険や変額保険との違い

収入保障保険は、死亡保険のカテゴリーに該当する商品ですが、死亡保険には他にも定期保険・変額保険といった保険商品もございます。そこで、それぞれの商品の違いについて解説していきます。
定期保険は、死亡・所定の高度障害状態になった際にまとまった一時金を受け取る保険です。教育費や住宅ローンの残債返済、葬儀費用やお墓代など、まとまった支出に備えられる特徴がございます。
定期保険についてもっと知りたい方は以下リンクをご参照ください。

変額保険は、保険料の一部を保険会社が指定する特別勘定で運用し、その運用実績によって死亡保険金や解約返戻金が変動する保険です。資産運用しながら万が一(死亡・所定の高度障害状態に該当したとき)の備えも準備できる特徴がございます。お客さまからいただいた保険料の一部を株式や債券などで運用し、運用の結果次第では、死亡保険金や解約返戻金が増える可能性がございます。一方で、運用がうまくいかずに支払った保険料を下回る(元本割れする)可能性もあるというのも特徴の一つです。
変額保険についてもっと知りたい方は以下リンクをご参照ください。

一方、収入保障保険は、死亡・所定の高度障害状態になった際に、保険満了期間まで(例:60歳満了、65歳満了など)遺族年金・高度障害年金を毎月のお給料のように受け取れる保険です。必要となる保障の逓減に対応できることから、同額を一時金で準備するよりも保険料を抑えることができ、効率的に備えられることが特徴です。

【表:収入保障保険、定期保険、変額保険の比較】

項目 収入保障保険 定期保険 変額保険
主な保障対象 死亡・高度障害 死亡・高度障害 死亡・高度障害
保険金給付方法 年金形式(毎月給付) 一時金 一時金・解約返戻金
保障額の変化 期間の経過で逓減 期間中は一定 運用実績により変動(死亡保険金には最低保証あり)
貯蓄性・運用性 なし(掛け捨て) なし(掛け捨て) あり(運用リスクを伴う)
主な活用シーン 遺族の生活費、教育費 葬儀代、住宅ローン残債 資産形成、インフレ対策
保険料水準 比較的割安 収入保障保険より高め 定期保険より高め、運用リスクあり

収入保障保険のメリット・デメリット

収入保障保険のメリット

保険料が割安
お子さまがいる家庭の場合、お子さまの成長にあわせて必要な生活費や保障額は減っていきます。収入保障保険も同様に、保険期間の経過とともに、万が一のときに受け取る保障金額は減っていく合理的な保険であるため、一般的に終身保険と比較して保険料を抑えられる傾向にあります。

万が一の場合、保険金を毎月一定に受け取れる
万が一のときに、保険金をお給料のように毎月受け取れるのが一般的な収入保障保険の特徴です。そのため、生活費や住宅ローン・家賃といった毎月発生する出費に対して計画的に備えられます。

生命保険料控除の対象となる
払い込んだ保険料は、一定の条件を満たせば「生命保険料控除」の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。年末調整や確定申告で控除を申請することで、実質的な保険料負担を抑えることができます。

収入保障保険のデメリット

貯蓄性がない
収入保障保険は掛け捨て型の保険商品が一般的なため、保険期間中に万が一のことがなければ、支払った保険料は戻ってきません。(解約返戻金があってもごくわずかです。)

一時的にまとまった資金を残せない
収入保障保険は、万が一のときに保険期間満了までお給料のように毎月一定の保険金を受け取れるのが一般的な特徴のため、残された家族の生活費の備えなどにおすすめの保険商品です。一方で、葬儀代やお子さまの入学金などある程度まとまった資金の備えなどには不向きであるといったデメリットもあります。

収入保障保険がおすすめの人と利用シーン

ここでは、収入保障保険が特に役立つケースを具体的に紹介します。子育て世帯や住宅ローンを組んでいる人が、なぜこの保険を検討すべきかを見ていきましょう。

子育て世帯や住宅ローン利用者への安心

厚生労働省の統計によると、子どもがいる家庭では平均的に生活費の大半を収入で賄っており、収入が途絶えた場合の影響は大きくなります。
※収入保障保険は教育費や食費など毎月必要な支出を下支えし、公的遺族年金と組み合わせることで不足分を備えることができます。
住宅ローンに団信が付いていれば残債は免除されますが、生活費は保障されません。したがって、生活費部分を収入保障保険で備えるのが合理的です。ローンに団信が付いていない場合や、保障範囲が限定されている場合は、月額給付を厚めに設定することでリスクに対応できます。

働き盛り世代が直面するリスクへの備え

30代~40代は教育費や住宅費などの支出が多くなる可能性が高い時期です。この時期に病気や事故で死亡・高度障害となれば、家族の生活は大きな打撃を受けます。 遺族年金だけでは不足する場合が多いため、収入保障保険で月々の不足分を備えるのが効果的です。非喫煙者割引や健康体割引を活用できる商品もあり、家計に無理なく備えられます。

あなたの状況に合わせた最適な保険を知りたいなら

「自分にはどんな備えをしておけばよいか?」「保険料はいくらくらいになる?」 など、具体的な疑問や不安がある方は、ぜひ無料のライフコンサルティングをご利用ください。 保険のプロであるライフカウンセラーが、あなたの状況に合わせて最適なプランをご提案します。

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収入保障保険の選び方のポイント

ここでは、自分に合った収入保障保険を見つけるための重要なチェック項目を解説します。保障額、給付条件、保険料のバランスをどう考えるか、具体的な選び方を見ていきましょう。

保険期間と保障額の考え方

保障額を見積もるときは、まず家計の光熱費、教育費や住宅費などの固定費を洗い出し、公的遺族年金や配偶者収入で賄える分を差し引きます。その差額を月額給付金として設計するのが基本です。 20代~40代前半までの子どもが小さいうちは必要生活資金が大きく、子どもの成長とともに減少する傾向があります。この特性を踏まえ、保険期間は子の独立や住宅ローン完済の時期までとし、過不足のない範囲で設定するのが望ましいでしょう。

給付条件や免責期間のチェック

収入保障保険の支払事由は「死亡」と「所定の高度障害」であることが一般的です。ただし、高度障害の定義や判定基準は保険会社ごとに異なります。約款を確認し、どの状態で保障が開始されるかを理解しておくことが重要です。
免責事項としては、自殺や重大な過失による事故などが一定期間不担保となる場合があります。さらに、年金支払保証期間の有無や、一時金・前払制度を利用した場合の受取り金額なども比較のポイントです。

保険料と保障バランスの取り方

保障を手厚くすれば安心感は増しますが、その分保険料も高くなります。まずは家計の不足額を明確にし、必要最小限の月額を設定するのが基本です。 負担を抑える工夫として、年払や非喫煙者割引を活用する方法があります。過大な保障は避け、将来的な減額や見直しが可能かどうかも確認しましょう。複数社を比較し、同条件での保険料を検討することが、バランスの取れた設計につながります。

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※2025年11月現在の保険料です。

収入保障保険を選ぶときの注意点

ここでは、収入保障保険に加入する前に知っておくべきポイントや、ライフステージに合わせた見直しの重要性について解説します。

加入前に知っておくべきポイント

収入保障保険は一時金型とは異なり、基本は「毎月の給付金」という形で支払われます。そのため、「死亡したら大きな一時金が受け取りできる」商品ではありません。また、加入してから日数が経過し、満了までの残り期間が短くなるほど受け取り総額も小さくなります。

ライフステージに合わせた見直しの重要性

家族構成や働き方は時間とともに変化します。収入保障保険は長期契約であるため、加入後もライフイベントごとに見直すことが欠かせません。結婚や出産、住宅購入、転職、昇給などが見直しのタイミングになります。
例えば、住宅ローンを団信でカバーできるなら死亡保障を減らすことも可能です。遺族年金や会社の制度も反映させながら、インフレ局面では月額に余裕を持たせると安心です。 年1回の家計点検と、ライフイベント時の見直しを習慣化することが、過不足のない保障につながります。

まとめ

収入保障保険を選ぶ際は、次の3つの軸を意識することが重要です。

  1. 必要となる生活資金と期間 家族構成や住宅ローン、公的遺族年金を考慮し、子の独立や退職時期までを目安に設定する。
  2. 受取り期間の設計と特約 毎月の受取り金額・受取り期間、年金前払や一時金オプション、保険料払込免除などを比較検討する。
  3. 保険料 非喫煙者割引や健康体割引を活用し、家計に無理のない保険料水準で設計する。

保険料は加入年齢や健康状態で大きく変動するため、早めに検討し、ライフイベントごとに点検する習慣を持つことが、安心で納得感のある選択につながります。

▶ひまわり生命 収入保障保険 じぶんと家族のお守りを徹底解説

youtube動画【ひまわり生命の収入保障保険を3分で解説】

三上 佑二
監修 三上 佑二(みかみ ゆうじ)

経歴:損害保険代理店勤務を経て2012年SOMPOひまわり生命保険株式会社に入社。
得意領域:ファイナンシャルプランニングを通じた家計見直しや資産形成。
年間50回の講演、200世帯の個別相談を通じて、「住宅」「教育」「老後」「資産形成」などさまざまなお金の問題解決のお手伝いをしております。
自分自身の病気や子育て中の経験を活かし、お客様一人ひとりのペースに合わせて「親切」「丁寧」「分かりやすい」をモットーに「相談してよかった」と少しでも感じていただけるお話を心掛けております。

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